蜜蝋(ビーズワックス)とは、ミツバチが巣作りのために作りだす天然のワックスのことです。
自然のままのほのかな甘い蜜の香りがあります。
蜜蝋(みつろう・ミツロウ・ビーズワックス)は、ミツバチが巣作りのために作りだす天然のワックスのことです。
原ロウは一般にハチミツのような香を有する黄褐色~褐色の粘着性の個体ですが、精製・漂白することにより、ほとんど無臭に近い淡黄~白色のロウになります。
日本ではごく少量の蜜蝋しか産出されておらす、原料のほとんどが外国産です。
また、オーガニック(有機)の蜜蝋は、オーガニック認証をとるにあたり、ミツバチの餌が有機栽培された花の蜜であることに加えて、蜂にも抗生物質を使用しない等の厳しい規制があります。
オーガニック(有機)の蜜蝋は大変貴重であるばかりでなく、とても安全性の高い蜜蝋であるといえます。
採取に手間がかかるため、蜜蝋は効果ですが、キャンドルにすると、柔らかな炎と香りが楽しめます。
よく使われている石油由来のパラフィンワックスと違い、燃やしてもススや有害物質が出ません。
また、ワックスの中でも融点が高く、パラフィンワックスのキャンドルに比べて長時間燃焼します。
なによりも自然の産物で、安心な素材であることが嬉しいですね。
蜜蝋は、アレルギーを起こすことが少なく、また、常温で固形なので、固さをだすために、乳液、クリーム、口紅などに多用されています。
軟膏などの基材として使われています。
床や家具、革製品に塗るワックスとして、蜜蝋と植物油を合わせたものがあります。
植物油の種類や配合量は、製造所によって様々ですが、いずれも自然素材なので、赤ちゃんやペットのいるご家庭でも、安心してお使いいただけます。
紫雲膏という漢方薬があります。
原料は紫根、当帰、胡麻油、蜜蝋、豚脂で、やけどや傷の薬として有名です。
誤って子どもが口にしても安全なように、独自の厳しい基準で作られている蜜蝋クレヨン、蜜蝋粘土があります。
木の葉などの不純物を取り除くための作業を精製と言います。
精製は蜜蝋を煮溶かし、漉して不純物を取り除く作業で、用途によって、この精製の作業を何回も繰り返し行います。
回を重ねるごとに、色や香りは薄くなります。
蜜蝋の特性は産地により若干の差異がありますが、日本で多く流通しているヨーロッパ系みつばちの蜜蝋は
主成分はパルミチン酸ミリシルC15H31COOC30H61と16ヒドロキシルパルミチン酸セリルC15H30(OH)COOC26H53です。
古くからクレンジングクリームやコールドクリームの乳化剤として使われてきましたが、
これは遊離脂肪酸(セロチン酸)を14~15%含んでいることから、
ホウ砂(ホウ酸ナトリウム)を加えると反応して生じるセロチン酸ナトリウムを乳化剤として利用しているものです。
対する東洋系みつばちの蜜蝋は、遊離脂肪酸が5~6%と少なく乳化には向いていません。
そしてヨーロッパ系には含まれていないトリグセリドが少々含まれています。
蜂が減っている、養蜂家の巣箱から突然蜂がいなくなる、巣に帰ってきたミツバチが異常な行動をとる、働き蜂が女王蜂を残して巣に帰らない、蜂に関するこのような話を耳にした方も多いと思います。これは世界のあちこちで起きており、2007年までに北半球のミツバチの4分の一が消えたと言われています。
この現象は「蜂群崩壊症候群」と言います。コロニーから若い働き蜂がほぼいなくなるにもかかわらず、コロニーの周囲のは死んだ蜂がほとんど見られないのが特徴です。
私はここで蜂の大量死の原因を言及するほど、蜂の生態に精通しているわけではありません。しかし食卓から蜂蜜が消えてしまう、蜂に刺されてアレルギーが起きなくていいといった簡単な話でないことは私にさえわかります。生態系全体の危機なのです。ミツバチを含めた昆虫が受粉させてくれなければ被子植物は、果実、木の実、そして次世代を残す種子が実りません。
その大量死の原因は寄生ダニ、農薬、ウィルス、ストレス、環境の変化などどれも決定的なものとして特定されていません。複合的に起こっているのかもしれません。
最近、クローズアップされてきている主な原因は農薬のネオニコチノイド系です。欧州などでは使用禁止の措置にも踏み切っています。この農薬は葉や茎から汁を吸うので害虫とされているカメムシを駆除するために使用されており、ネオニコチノイド系は1990年代から急速に普及してきており、少量でよく効き効果が長持するので、多用されてきたのです。「夢の農薬」とまで言われています。日本では使用も販売も禁止されていません。
蜂たちは生き残りをかけて遺伝子を変えていているという報告もあります。
私たちの提供している蜜蝋はもちろん蜂たちが作ったものです。
輸入はオーストラリアからです。オーストラリアも蜂群崩壊症候群が見られており、蜜蝋は年々値上がりしています。オーガニック蜜蝋なので、農薬とは無縁ですが、それでも値上がりしており、いつの日か手にはいらなくなるのではと怯えています。
この現象を止めるために、私たちができることは何かを考えていかねばなりません。